こんばんは、マナウサです。
データ管理社会において、またしても事件が起こりました!
サーバ管理会社が契約更新ミス 「ふくいナビ」全データがクラウドから消失、復旧不能にhttps://t.co/AZDviJ91R6 pic.twitter.com/ghDXfa28Lo
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) November 9, 2020
福井県坂井市にある『ふくい産業支援センター』が運営するサイト『ふくいナビ』に登録されていた
・福井県内公的機関の産業・企業支援情報約200件
・メーリングリスト287件
この全てのデータが消失したとのこと!
今回はそんな『ふくいナビ』について、データ消失の理由や経緯、管理会社について調べました!
ふくいナビの管理会社はどこ?
『ふくいナビ』のデータを管理している会社は
『NECキャピタルソリューション』 です。
名前の通り、大手企業『NEC』のグループ会社の1つです!
NECグループの金融会社として1978年に創業し、メーカー系リース会社として事業を拡大し、2006年に東証1部上場を果たした大手企業です。
総資産は7,933億、売上高 2,327億を超え、日本のみならず、アジア地域を中心に海外進出する企業へのサービスも提供しています。
歴史もある、非常に大手企業です。
その為、管理体制・チェック体制が非常にしっかりしているイメージですが、やはり
取引企業数が多い=気の緩みが生まれ、ミスが生まれやすい
という事なのかもしれませんね。
ふくいナビのデータ消失の理由や経緯
『ふくいナビ』を運営する『ふくい産業支援センター』はデータ管理の為、『NECキャピタルソリューション』と契約し、クラウドサーバー上にデータを保管していた。
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2020年10月末が契約期限終了で、『ふくいナビ』と『NECキャピタルソリューション』は更新契約をしていた
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『NECキャピタルソリューション』が、サーバー管理者である『NEC』と使用権を購入する手続きをしなかった(操作ミス? 忘れていた?)
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10月末の契約期限終了に伴い、『ふくいナビ』の全てのデータが削除
以上がデータ削除の経緯となっています。
契約期間が終了した企業のクラウドデータを保持・保管することは契約上でもセキリティ上でも禁止されているので、バックアップなどもありません!
管理会社の賠償金や違約金は?
過去のデータ消失の裁判についての判例です。
広島地裁平成11年2月24日
ハードディスクの増設を委託された事業者が,その作業中に,増設した新ディスクをフォーマットすべきところ,誤って旧ディスクを初期化し,旧ディスク内の既存データを消失させてしまった。
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データそのものについての損害賠償請求は否定され,慰謝料100万円のみ認定
東京地裁平成13年9月28日
ダイヤルアップ型IP接続サービスに付随するサービスとしてユーザウェブサイトのコンテンツファイルを保管するサービスが提供されていたところ,事業者の作業ミスによって保管されていたコンテンツファイルが消失した。
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ウェブサイトの再構築費用,及び,ウェブサイト再開までの営業できない期間分の逸失利益を損害として認める。
プロバイダー側から建築業者側に作業料として仮払金3000万円が支払われたが、結果として建築業者が使った費用は400万円だった。
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作業は終了し、Webサイトは再開されたが、建築業者はプロバイダーに対して、その再構築費用と公開中断による逸失利益の損害賠償 約1億円を求めて訴訟を提起した。
(1億円=サーバ再構築費用5329万円と逸失利益8229万円の合計から、ベンダーの仮払金3000万円を引いた額)
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最終的な判決は
Webサイト再構築費用の400万円と逸失利益分400万円、合計800万円の支払いをプロバイダーに命じた(実際は「3000万円の仮払いから2200万円を返還を命じた」)
かなり長引いた裁判になりましたが、実質の賠償金額は800万円です。
契約内容やデータ量にもよると思うので断定はできませんが、今回の場合は完全に『NECキャピタルソリューション』側の不手際によるもので、信用問題にも関わるものなのでかなり高額な損害賠償金が発生する可能性があります!
ふくいナビのデータ消失についてまとめ
今回の騒動に対し、
・ユーザー情報の漏えいはない (そりゃそうだw)
・『ふくいナビ』のプログラムの再構築は可能だが「相当の期間が必要」で、今のところ復旧のめどは立っていない(約20年前のデータから遡っての作業?)
との事。
『NECキャピタルソリューション』福井営業所
『ふくいナビ』運営の『ふくい産業支援センター』
とコメントしています。
1日も早い復旧を願います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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